田舎の課題を価値あるモノに変えて、みんなにお届け!

Iターン専用シェアハウス「みんなの家」が始まりました!

 

●町づくり → まずは自分のできることから。

こんにちは。村長の前川です。

突然ですが、先日、家を買いました。
家と言っても、私たち家族が住むための家ではありません。Iターン専用のシェアハウスとして活用するために、一軒家を買いました。

私が暮らしている丹波市は、今は全国の中山間地域に右に倣えで過疎化が進んでいます。そんな丹波市ですが、昨年の秋に訪れた自治意識の高い隠岐の島の海士町に倣って、近い将来に「海の海士町、山の丹波市」と呼ばれるくらい、自治の双璧を創り上げたいと勝手に企んでいます。ええ、勝手に、です(笑)

行政もそれらしいことを抽象的に言うてますが、海士町と比べると有言実行率は極めて低く、市政主導という意味においてはこれからの4年間において大きな変革は難しいのかなー、と思っています。

なので、まずは民間レベルで行える町づくりってものを自分ができる範囲で進めて行こうと思っていて、先日、実家の隣に建っている中古の一軒家を買いました。家と言っても、私たち家族が住むための家ではありません。Iターン専用のシェアハウスとして活用するために、その家を買いました。

あ、誤解のないように申しておきますが、お金持ちではないので借金して買ったんですよ(笑)

●Iターンの住まい探しの課題と、幼馴染が抱える悩みと。

家を買ったきっかけは、そこに住んでいたおじさんが昨年亡くなられ、そのおじさんの息子である私の幼馴染から相談を受けたことでした。

幼馴染:「家を相続しても自分たち兄弟はあの家に帰る意思がないんですが、かと言ってどこぞの誰かわからないような人に譲りたくはないし、そんな都合よくあの家に住んでくれるような人は居ないだろうし、そうなると固定資産税を払い続けないといけないし、どうしようか困っているんです。」

と。なるほど。
その相談を受けた時、丹波にはちょくちょく都市部からIターン者が来ていたので、そういうIターン者が買ってくれたらいいのでは?と思い、何人かのIターン予備軍に相談してみました。ところが、

「興味はありますけど、いきなり家を買うほどの根性はないですね。」

という返事がほとんど。

まぁそりゃそうか。まだ暮らしたこともないような土地でいきなり人生最大級のお買いものとなる「家を買う」という行為に踏み切るだけの根性はないか、というか、それはもはや暴挙だ(笑)

で、じゃぁ実際に都市部から丹波市にIターンで来てる人たちはどうやって移住して来られたのかを調べてみると、

①週末など空いている時間に都市部から車や電車で丹波にやって来て家を探す
②不動産屋を介して物件を見て交渉
③交渉がまとまれば入居に向けて動き出すし、まとまらなければまた来週!→①に戻る

というもの。
しかもこの決め方には大きなのデメリットがあることがわかりました。

「都市部からの遠征になるので、地に足をつけて探すことができず、地域の文化を十分に理解しないままの契約となり、入居してから都市部と田舎とのギャップに面食らって都市部に帰ってしまう人がいる」

おぉ、せっかく丹波にIターンしようとしてくれたのに、ミスマッチで都市部に戻ってしまうだなんて、これは双方にとってモッタイナイ。

そんなわけで、このIターンの住まい探しの課題と、幼馴染が抱える悩みの両方を解決すべく、とりあえず私がこの家を買って、そこを「Iターン専用シェアハウス」として運用し、Iターンにひとまず入居してもらい、丹波の地に足を付けた状態で家探しをしてもらう構想を考えました。

 

●丹波に「よそ者、若者、バカ者」が必要なワケ

で、そもそもなぜ丹波にIターンを呼び込もうとしているのか。
主な目的は、「有能なIターンと一緒になって、丹波が抱える課題を解決していくこと」です。丹波に限らずでしょうが、過疎の町というのはこれから何もアクションを起こさなければ生産人口が減っていくわけで、それをカバーしようと子作り、子育てを頑張ったとしても、今からだと時間もお金もかかりますから悠長に待ってられません。となれば、即戦力となる移民制度を設けないと。つまり、有能なIターンやUターンを招き入れるのが手っ取り早いと考えるわけです。

とりわけ、閉塞感のある組織や地域を変えるためには
・よそ者
・若者
・バカ者
の三拍子そろった人間に適性があるという話もあります。その組織を客観的に見ることができるよそ者で、長いものに巻かれないような勢いを持っている若者で、時には周囲を驚かすようなこともやってのけるくらいバカ者がサイコーという話ですね。

そんな人たちに集まって欲しいので、バカなことを真剣におしゃれにできる20~30代限定のシェアハウス「みんなの家」を始めました。

家の掟
一、 住民票を移し、地域の自治会に入り、自治活動に参加すること
一、 毎月家賃を3万円支払うこと
一、 暖を取るために積極果敢に薪割りをすること
一、 他人に迷惑をかけないこと
一、 タンスや布団などの生活必需品が足りない時は、まず物乞いしてみること

とまぁなんとなくの決まりごとを書いておりますが、まだ明確な掟は作っておらず、とりあえず走り出しました。

周囲の人たちは、「こんな田舎にそんな若者がやって来るのか?」と半信半疑でしたが、もうすでに住人がいます。みんなの家の住人第一号は、「みんなの村」の村長代理でもある井口君です。そして第二号は大阪府堺市からのIターンの花ちゃん(31歳)。そして今月20日くらいには、芦屋市出身、現在龍谷大学の4回生で、4月からは丹波市内で就職を決めたショウジがやって来ます。

「田舎には職が無いから」とよく言われていますが、そんなことはありません。だって「みんなの家」の住人たちは実際こうやって縁もゆかりもない丹波にIターンしてきて立派に生活してるんですから。

それに、もし本当に職が無いなら作ってしまえばいいんです。実はこの「みんなの家」、丹波で新しい事業を生み出すインキュベーションセンターのような空間にしようと企んでいます。うふふ。

 

●みんなの家は、町の課題解決事業を生み出す家

みんなの家」には夜な夜ないろんな人が集まってきます。地元企業の経営者を対象とした経営塾を定期開催していることもあり、経営者が多く集まります。
また私たちは町づくりにも関わっているので、自ずと周辺地域の市議会議員などの町づくりを手がけている人たちも集まってきます。

だから夜な夜な起業ヒントがいっぱい集まります!地域の情報ツウが集まるから町の課題を教えてもらえるし、地域の経営者たちと一緒に議論していくから、その課題の解決方法を事業化することだって考えられます。

前職のファンケルの創業者である池森さんが
「世の中の『不』を解消すれば、それはビジネスになる」
とおっしゃっておられました。まさにその志で、丹波にある「不」を解消してマネタイズし、事業化してしまおうというものです。

そういう意味で言うと、Iターンには強みがあります。Iターンはよそ者ですから、町の課題を地元の人たちとは違った角度で見ることができるからです。町の人からすれば毎日目にしている困りごとであっても、よそ者の視点でちょっと変換すると宝に化けるものだってあるかもしれません。

そうやって自分なりに課題解決の事業計画を練り、「みんなの家」の新規事業として挑戦してもらうも良し。その場合の経営責任は我々が取ります。また「みんなの家」から独立して起業するも良し。その場合はあらゆる角度から経営支援をいたします。

しかもたいしてお金はかかりません。家賃は月3万円です。畑には野菜が生えているし、うまい米は友人から安く分けてもらえるし、水は地下水だから蛇口を捻ればミネラルウォーターが流れてきます。美味しい卵を食べるために、そろそろ鶏でも飼おうかと思っているところ(本気)。つまり生活費は都市部よりかからない状態で、新規事業の立ち上げができるわけです。

「都市部でサラリーマンやってたけど、そろそろ日本の課題に着手したいと思っててん。田舎は過疎化が進んでいて、課題を解決する人材も少ないと聞いている。よし、そんなに課題山積なんやったら、ここはいっちょ人生かけて田舎で挑戦したろか!貯金はそんなにないけど、どないにかなるやろ!」

という心意気のある人にはピッタリすぎる家です(笑)

こうして住民から次々と新規事業が立ち上がり、この町が抱える課題をクリアしていけば、あー、なんて楽しいことでしょう(^o^)/

 

●終わりに

現在市内にある空き家の数はなんと1000軒以上。65歳以上の独居老人が3000軒以上もあるようなので、今後10年で空き家の数はさらに1000軒ほど増えるのではないかという試算も出ています。

その数を聞いてすごく悲観的になる人が多いんですが、いやいや、つまりあと1000組のIターンを受け入れるだけのハコはあるってことでしょ?魅力的な町にするキャパがあるってことで!

そんな空き家対策の一助となれるか!?Iターン専用シェアハウス「みんなの家」、いよいよ動き出します(^o^)/

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