田舎の課題を価値あるモノに変えて、みんなにお届け!

ご迷惑をおかけしたお客様、申し訳ございませんでした。

こんにちは。村長です。

●お客様の信頼を損なってしまいました。猛省です。

「爽美林」のご注文は、ネットや電話、ファックス、直接ご来店など、様々な形式で受けていて、現状では社外のショッピングカートと、社内の顧客管理ソフトなど、連動できない複数の管理システムを使っています。

資本がそんなに多くあるわけではないですし、またシステムを全自動化しなくても受注業務ができる程の受注量では、最少経費でこれら複数のシステムを工夫して使うのがベストな方法だと判断しています。

しかしこの連動しえないシステムは、時としてミスの温床となります。先月の2週間で、お客様にご迷惑をおかけしてしまったミスが、誠に恥ずかしいことに、こんなに多くも発覚しました。

・すでにご入金いただいているにも関わらず、督促メールを出してしまった×2件
・定期購入をしていただいているにも関わらず、お約束した日に発送していなかった×3件
・福島県の方に無料でお届けすると伝えておきながら、カード決済をしてしまった×1件
・メールアドレスの変更依頼が届いているのに、何度も変更し損ねてお客様の信頼を失ってしまった×1件

さらにこのミスの中の一つが2次クレームに発展してしまいました。
度重なるミス、そして対応の遅れなどから、定期購入をされていたお客様が、今回で購入を止めにする、と。最終的にはお電話で直接謝罪しましたが、その際お客様がおっしゃったことは非常に正論でした。こちらの不手際の度が過ぎました。

反省しかありません。猛省です。

●責任は私にあります

「爽美林」の製造販売は、ここ数年、比較的安定した運用になっていました。そこで仕組として安定していると判断した「爽美林」の製造販売の業務に関しては、社員教育を受けてもらった弊社スタッフたちに任せていました。任せることでスタッフの成長にもつながりますし。

そこに、想定外のミスが重なりました。

人間はミスをする生き物です。ミスをしない人間なんて存在しません。だからシステムを組む時は、作業員がミスをすることを前提で構築していく必要がありますし、私はそのようなシステムを作ってきたつもりでした。しかし、ミスの重なりを想定できていなかったことは、私の詰めが甘かった証拠です。

「爽美林」の受注システムを作った張本人が私で、さらにこの会社の代表も私ですから、責任の所在は私にあります。ご迷惑をおかけしてしまった皆様に対しましては、心よりお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。

 

●失敗を繰り返さないために

私もいち顧客として、様々なお店を利用します。そこでは、シンジラレナイ対応も数多く経験してきました。ワイシャツをクリーニングしたら、毎回値段が異なったり、2回に1回はボタンが割れたり、挙句の果てにそれを店員に言うと、「それはひどいですね。本社に電話してみたらどうですか?」なんて言われたり。

ま、最後の一言は論外ですが、ミスをした人の多くは、こう答えます。
「申し訳ございませんでした。以後気を付けます。」

実は、これには非常に疑問が残っておりまして。

「ちょっと待って。じゃぁこれまでは気を付けてなかったの?」
「いえ、そんなことはございません。しっかり気を付けておりました。」
「じゃぁこれまでも、これからも、『しっかり気を付ける』ということは何も変わらないよね?それが変わらないなら、これからも同じ失敗が繰り返される可能性は多々あるよね?」
「いえ、これまで以上に気を付けます。」
「これまで以上に気をつけたら、ミスは無くなるの?」
「がんばります!」

みたいな会話に発展します。
もちろん、これまで以上に気を付けるという精神論も大事です。しかし、それだけでは同じミスを繰り返す可能性が数多と残されています。

今回、私たちは多くのミスを犯してしまいました。そして、どうしたら同じミスを繰り返さなくて済むのか、スタッフみんなで徹底的に議論しました。確かに最初は、これまで以上に気を付けて・・・という話も出てきました。しかしそれだけでは足りないことにみんなが気づき、ミスが起こらない、いや、仮にミスが起こっても、お客様に失礼な影響が出るまでに気づける仕組みはないか、考えました。

 

●考え抜く。「99%ムリ」と「100%ムリ」は雲泥の差。

ヒト・モノ・カネが潤沢にあれば、スムーズでミスが起こりえない自社システムを業者に発注すればいいのでしょうが、弊社にそんな余裕はありません。しかしそれに悲観する必要は全くないと思っています。なぜなら、ヒト・モノ・カネに制限があるからこそ、知恵を絞る必要に迫られ、有益でクリエイティブな発想が生まれてくるのだと思っているからです。

だから、いろいろな制限がありすぎて、
「あー、そんなの99%ムリでしょうねー。」
なんていう発言があると、私はそこにチャンスを感じます。「100%ムリ」と「99%ムリ」は雲泥の差。1%でもそこに可能性が有るのと無いのとでは、100と0ほどの違いを感じます。しかしたいていの人は「99%ムリ」と聞いた瞬間から、思考を停止してしまいます。思考のサボタージュです。だからこそ、そこがチャンスです。多くの人がサボっている間に、前に進んでしまえばいいのですから。

ちょっと大袈裟かもしれませんが、今回のミスを防ぐための議論においても、似たようなことがありました。最初は自社システムの構築を業者に発注して、などというトンデモ万円のお金が動きそうな意見が出ていました。

しかし事あるごとにそんなに投資していては事業を継続していられないので、スタッフにはコストをかけず、作業効率を落とさず、それでいて絶対にミスが防げる方法を求めました。

「そんな効率よくミスを回避できる方法はあるの?」
一度は諦めっぽい雰囲気が出ましたが、考えることを止めず、そこから意見を出し合って、最終的にはとてもスムーズなダブルチェック体制で作業効率を落とさず、同じ失敗を繰り返さない仕組みが出来上がりました。

もし、潤沢な資金があれば、特に考えを掘り下げることなく、お高いシステムの構築を業者に依頼して解決させていたかもしれません。

あの日にミーティングで話し合った時間、そして出来上がった仕組。これは目には見えない、弊社の資産となりました。

 

●得たものと、失ったものと

福島県のお客様に対して、復興支援の一環としてお代金を無料にすると言いながら、カード決済の手続きを行ってしまったミスに対して、お客様とメールでのやり取りがありました。

2014/ 5/27
差出人: A様
題名: 料金について

3月に購入させていただきましたAと申します。
大変失礼なお話なのですが、確認させていただきたくメールしました。
私の居住区が福島県いわき市ということもあり、商品お届けいただいた際に復興支援ということで、無料にしていただいた旨の納品書をいただき、家族ともども感謝させていただきました。
しかしながら、支払いをカード決済にしたのが原因なのか、しっかり料金を請求されており支払っております。
非常に言いにくいのですが、本当に無料にしていただいたことではないですよね。
みんなの村様のカード決済システムに不具合があったのかはわかりませんが、せっかくのご好意も裏切られた気持ちになってしまいました。
ですので、本当に無料にしたかったのか、納品書の記載が間違いだったのかわからなかったので、確認をしたくてメールしました。
よろしくお願いします。

 

2014/ 5/27
差出人: 株式会社みんなの村
題名: Re: 料金について

こんにちは。
みんなの村の淺岡と申します。

お品代を請求してしまっておりましたこと、本当に申し訳ございません。
当社としては、東北大震災の被災地の方々の、一助になればと代金無料とさせていただきたかったことに、間違いはございません。それにも関わらず、心情を裏切るような結果となってしまいましたこと、お詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。

今回のミスについて調査いたしました結果、原因は当社スタッフのオペレーティングミスによるものでした。A様のお住まいが被災地のご住所と判断し、納品書を出力する社内システム上のお品代金は代金無料と手続きを行ったにも関わらず、クレジットカード決済の取り消し手続ができていなかったため、引き落としされてしまった次第でございます。
大変申し訳ございませんでした。

今回のA様からのご注文は、本来は代金無料でお届けすべきであり、「クレジットカード決済を取り消す」という通常とは異なるシステム手続きが必要でした。
そういった手続きを行う際には、台帳に記載し、各手続きが滞りなく完了したかを確認する方法をとっておりますが、今回はそもそも、その台帳へのA様の注文情報の記載が漏れており、クレジットカード決済の取消作業が未完了であることに気づかず、代金のお引落に至ってしまったというのが現状です。

今後このようなことが絶対に再発しないよう、社員全員の意識を変えるとともにダブルチェックを行うなど、社外に影響が出る前にミスを発見できるような仕組みづくりに取り組んで参ります。
具体的には、被災地の方への発送の場合、納品書にお手紙を書く段階でクレジットカード決済の取り消しなどの各手続きが完了しているか否かをチェックする、という体制に致しました。
お客様にご迷惑をお掛けすることがないよう、社員全員で取り組んで参りたいと思います。

つきましては、お品代金のご返金をさせて下さいませ。大変お手数ではございますが、下記お振込み口座情報を

~(中略)~

今回このようなミスを犯してしまい、申し訳ございませんでした。
また、A様をはじめ、ご家族の皆様のお気持ちを害してしまうこととなり重ね重ねお詫び申し上げます。本当に申し訳ございません。
「爽美林」が少しでもご家族皆様のお役にたてていれば幸いです。

株式会社みんなの村
淺岡 美希

 

2014/ 5/28
差出人: A様
題名: Re: 料金について

みんなの村
淺岡 美希 様

ご返信いただきありがとうございます。Aです。
本当に驚くほどの素早い対応ありがとうございます。見習いたいです。
原因を追求していただき、またわかり易く説明していただきありがとうございます。
今回はミスによるものというのがわかり、嬉しく思います。

返金してくださるとのことですが、もしよろしければその代金にてもう一度同じものを購入ということでもよろしいでしょうか?
子どもの水イボも落ち着いてきた様子ですので、引き続き使用できたらと思います。

また、私も仕事でシステムに関わっており、今回のような問題解決のきっかけ?になったことについても嬉しく思っております。
今後は受注から請求までのシステムが連携し、ダブルチェックがキーになるようなフローで運用できるといいですね。
貴社ますますの発展を祈念いたします。

 

2014/ 5/29
差出人: 株式会社みんなの村
題名: Re: 料金について

こんにちは。
株式会社みんなの村の淺岡です。

暖かいお返事をいただきありがとうございます。
また、当社の対応についてもお褒めのお言葉を頂戴し、嬉しく思います。
その上、更にご注文までいただき、重ねてお礼申し上げます。

この度、A様には大変なご迷惑をお掛けしてしまいましたが、A様からこのような暖かいお返事を頂けたことで、今回ミスをしたスタッフはもちろん、従業員全員が救われました。

当社は従業員4名という、非常に少人数の会社です。
金銭的な問題で、立派なシステムの構築・導入を図ることはできませんが、今ある資源を使って、お客様にご迷惑をお掛けしない仕組みを作る工夫は出来ます。
そしてその工夫に基づき、自分たちのオペレーション内容を速やかに改善することも出来ます。
A様にご指摘頂いた事がきっかけとなり、従業員の意識改革はもちろん、当社のオペレーションが一歩前に進むことができました。本当にありがとうございました。

~中略~

お子さまの水いぼも、落ち着いてこられたんですね。
「爽美林」がお役に立てているようで嬉しく思います。

ご希望いただきました前回と同じ【蒸留木酢液 爽美林 1.5L】を本日の発送にてお送りさせていただきます。お手元に届くまで少しお待ち下さいませ。「爽美林」のご使用方法など、何かご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせ下さいね。

心ばかりですが、お詫びとして友人の農家が丹波で栽培したお米を同梱させて頂いております。よろしければ、ご家族の皆様でお召し上がりくださいませ。

長文となり失礼いたしました。

それでは商品到着まで、今しばらくお待ち下さい。

株式会社みんなの村
淺岡 美希

 

クレームをいただいた時点では「裏切られた気持ちになりました」と表現されているように、マイナスからのスタートでした。しかし「雨降って地固まる」という言葉があるように、これは一つのチャンスです。雨が降らないと地が固まらないことだってあるわけですから、こういう状況から、なんとかして信頼回復に務めようと努力します。

今回は幸いにも、ご納得いただき、追加で商品をご購入いただくことになりました。こちらの思いを汲んでいただいたことにひたすら感謝です。

お客様との信頼関係を築くことができ、さらに今回のミスをキッカケにして、社内のシステムも改良されました。得ることが大きな一件でした。

とは言え、今回の一連のミスで怒りを買い、私たちに愛想を尽かされ、離れて行かれたお客様がいらっしゃるのもまた、事実です。日常お客様と顔を合わせることができるコミュニティービジネスと異なり、インターネット通販の場合はお客様とお出会いする機会がなかなかございませんので、一度切れてしまったご縁を取り戻すことは、並大抵のことでは不可能です。お顔を合わせないインターネット通販だからこそ、一つひとつのコミュニケーションが大切になってくると思っています。電話での声のトーン、メールでの表現方法、商品をお届けする際の梱包の仕方、細部に渡るまでやはりどれをとっても大事です。

大切なお客様を失ってしまったこの事実を真摯に受け止め、今一度お客様にご満足いただけるような私たちの在り方について、考え直してまいりたいと思います。

 

●終わりに

お客様にご満足いただけるための心構えは、もちろん私だけでなく、全スタッフがその認識でいなければなりません。今回のミスだって、スタッフは故意にしたわけではないのですが、それでもこれだけ短期間に続発していることを考慮すると、その原因はモチベーションの低下にもあるように思います。

それもまた、私の責任。

「みんなの村」という社名ですから、関わるみんなで作っていこうと思っています。しかし最近、気が付いたらトップダウンでことを進めることが多く、それがスタッフの主体性の低さを招いていたように思います。「みんなの村」は名前負け。見様によっては「おらが村」。スタッフの意見を吸い上げ、だけど妥協してはならない部分は妥協しない。そういった会社経営をするにはどうしていけばいいのか。

先日、私にとって因縁の町、隠岐の島の海士町に久しぶりに訪れました。いつも刺激をくれる町。そこでお出会いした方がおっしゃったんです。

「私はねぇ、人には教えないんですよ。」

とても多くのノウハウを持っていらっしゃる方だったので、

「え、そんなにノウハウを持ってはるのに、なんで教えないんですか?」

と聞くと、一言。

 

「だって、教えたところで、人は動かないもん。」

 

私は今、転換期に来ているように思います。

カテゴリー: 未分類